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【書評】藤原竜也はジャンル。有名人の紹介文が面白すぎる読書エッセイ|『有名人の愛読書、読んでみました。』

有名人の愛読書、読んでみました。 ブルボン小林 読書感想のイラスト 読書・本

はじめに

『有名人の愛読書、読んでみました。』(ブルボン小林著)を読みました。

有名人が語った愛読書を著者が読んで論評していく、という構成の本です。 今まで様々な書評本を手に取ってきましたが、「有名人の愛読書に限定して読むって、なるほど……!」と思いました。こういう分かりやすい選書だとキャッチーで手に取りたくなります。

読んでいる間、書評を読みたくてページをめくるというより、気付いたら「有名人の紹介文」の方が楽しみでページをめくっていました。著者が有名人一人ひとりをどう見ているか、その観察眼が面白いんです。

もちろん紹介されている中で読みたい本も増えたので、この記事では「紹介文自体が面白かった人」と「むしろ愛読書が気になった人」に分けて感想をまとめます。俳優さんが多めだったので、好きな出演作品も合わせて紹介します。


著者と本について

著者はブルボン小林さん。本名は長嶋有さんで、芥川賞作家としても知られる書き手がコラムニストとして活動するときのペンネームだそうです。 2000年に「めるまがWebつくろー」の連載でデビューし、現在は朝日新聞夕刊や週刊文春、女性自身などで連載を持ち、小学館漫画賞の選考委員も務めています。

本書『有名人の愛読書、読んでみました。』(中央公論新社)は、今を時めくスターたち50人が推す本を徹底調査し、愛読書からその人物に迫る一冊です。

▶︎ 有名人の愛読書、読んでみました。


印象に残った有名人の紹介文

特に印象に残った有名人の紹介文がこちら。

藤原竜也さん

ジャンルみたいな人です。荒唐無稽なサスペンスやデスゲームの主人公ばかりを演じています。いつでも悲壮感ある目力で叫んだり、大仰に苦しんだり。過剰にデフォルメされた、漫画的な個性を発揮し続けています。 2024年の主演ドラマ「全領域異常解決室」はオカルトものでしたが、「幼少期から月刊ムーを愛読していた(だから、今作も楽しみだった)」と語るくらいで、そういうのが本人も好きなんだろうとは思います。

でも、本人が好きということとは別に、これはもう藤原くんだな、と見込まれて企画されているのでは?と思わせる映画やドラマも多いんです。ずっとその路線が作られるということは、一定の需要が意図せずに生じ、続いているわけで、たいしたものです。そういう映像の予告編の中の彼を見るだけで「今回も頑張っとるな」などと感心してしまいます。

藤原竜也はジャンルというのは、完全同意です。ジャンルですよ、もう。藤原竜也さんが出てきたらもう、絶対、その人はただものではないです。一般人じゃないです。というくらい、ジャンルですよねぇ。

「漫画的な個性」というのも、本当に分かる。漫画的な表情やリアクション。過剰にデフォルメされたリアクション。残酷なシーンでも、辛いシーンでも、過剰にデフォルメされてる感があるからなのかな。なんか、笑えますよね。良い意味で。かと言って、「過剰すぎるわ………」と引くこともないから、とても良い塩梅な過剰さ、デフォルメさなんだよなぁ、と、改めて感じます。

全領域異常解決室」は私も視聴していました。これはもう藤原くんだな、と見込まれて企画されているのでは?と思わせるドラマでした。絶対そうだろ。

「私も、神です」というセリフを放つのですが、「絶対これ!藤原竜也に言わせたかったんだろ!私も、藤原竜也の口からそのセリフが聞けて嬉しい!!」って、なりましたもん。

ジャンルです。あまりにジャンルすぎて、CMの藤原竜也さんも只者じゃない感溢れてます。企業向けのサービスとかね……何か起きそう……って疑ってしまうのは、きっと私だけではないと思う。

坂口健太郎さん

坂口さんは落ち着いています。表情が常に穏やかで、心も体感も安定している(ように見えます)。男性から見ても親しみやすさが満点です。 穂村弘さんの著作を「だいたい読んだ」そうで、まさに親近感!私もだよ、私も私も、と馴れ馴れしい気持ちになってしまいましたが、こちらが興奮して語りかけても「いいですよね」とあくまで穏やかに応じてくれそうな気がします。

で、めちゃくちゃ浮かびました!その光景が!脳裏に克明に浮かびました!うん、絶対!そう!「いいですよね」と穏やかに微笑んでくれそう〜!

おかえりモネ』の坂口健太郎さんに沼った。いちゃこらしない恋愛に非常にときめいた。

河合優実さん

河合優実さんの顔を見ていると、もしかして機嫌が悪いのかな、今つまらないと感じていないかな、とつい思ってしまいます。 本人からすれば「そんなこと言われても」というところでしょうが、仮に面白いことが起こっても、笑顔が他の人より数秒遅れてやってくるような気配がどうしてもあって、その遅れの中に彼女の魅力の秘密があるようで、つい気にかけてしまいます。すごい存在感の人です。

「もしかして機嫌が悪いのかな」分かる!あのアンニュイな雰囲気や、少しうつろに見えるミステリアスな瞳が、そう感じさせるのでしょう。媚びない雰囲気が、とても素敵ですよね。「笑顔が他の人より数秒遅れてやってくるような気配」という表現や着眼点が、大好きです。存在感が、本当にすさまじい女優さんです。

不適切にもほどがある!』では、昭和のアイドル感がとても素敵だった…。

安達祐実さん

安達祐実さんは、いまだに子役のイメージから抜け切れていないわけでもないし、かといってベテランの風格が漂うような老け方をしているわけでもありません。 最初から子役じゃなかったんじゃないか、とすら思います。では何だったのかというと、初めからずっと安達祐実さんだった、というか。それくらい彼女は完成されていて、印象に変化がないんです。

印象の変化がないのは、確かに……。童顔というのも大きい気はしますが。私も童顔なので、安達祐実さんのようなフレッシュさを保ちたいものです。


「愛読書」が気になった有名人たち

書評集ではありますので!「愛読書」側が気になった有名人もいたので、そちらの紹介です。

北村匠海さん|『ラリルレ論』

紹介されていたのは、人気バンドRADWIMPSのリーダーが、あるツアー中に書いた日記『ラリルレ論』。 日記ですが、メンバー紹介から家族のことまでを仔細につづった自伝的な側面もある一冊です。言葉は多いのに、省略があります。地方ツアーの感動と感謝を、客からいっぱい「もらった」「引っ張り上げてくれた」と書く一方で、「勇気を」「テンションを」というような主語は出てきません。 また、地方の過疎化や少子化、ときには韓国の旅客船沈没事故などの時事問題まで真面目に憂いたりもします。でも、おじさんのように不機嫌で声高な批判に終始することは決してありません。例えば、エコを謳いながら新製品への買い替えを促してくる資本主義社会の欺瞞について考えを深めても、最後には「やめやめ。おやすみなさい」とふんわり優しい言葉で締めくくります。

映画などで見せる北村くんの佇まいや表情にも、同じ真面目さと向日性を感じます。尊敬だなぁと思いました。

「ツアー中に書いた日記」という、それだけでもう、気になるよ〜!アーティストのツアー中とか、あまり表に出てこない部分なので、とても、気になるよ〜!時事問題に憂いつつも、「やめやめ。おやすみなさい」とふんわり優しい言葉で締めくくるっていうのも、何だか良いですよ。私も今度、使おうかな。

▶︎ ラリルレ論

星が降る夜に』の北村匠海さんが好き。こちらも沼。喋れないんだけどね……これはね……恋をしてしまうよね……。主演の吉高由里子さんは、相手役の男性を超絶魅力的にする魔力を持っています。

氷川きよしさん|『ココシャネルの言葉』

「毎日自分を後悔なく生きる」「人はただ純粋に自分の愛する人からだけ学ぶものなの」といった言葉が並び、とても啓発的なのですが、これらもどこか他者が不在で、ひたすら自分にだけ言い聞かせているような気配があります。

愛読書もインスタグラムで紹介されていました。「心の充実のために良書を読もう!一流の本をたくさん読もう!」と、これもまた他者にではなく自分への呼びかけのように見えるのは、インスタを見る限り「たくさん」読めていなさそうだからでもあります。超多忙で、だからこそ読まねばと自分を叱咤しているように見えるのです。

紹介されていたのは『ココシャネルの言葉』。どの発言も強い言葉です。「醜さは許せるけどだらしなさは絶対に許せない」「モードは死ななければならない」など、しばしば読者を怯ませます。「私は自分で引いた道をまっすぐに進む」というのはよくある言葉ですが、その続きは「自分が勝手に選んだ道だからこそ、その道の奴隷になる」と続きます。ここで「奴隷」とまで言う人はなかなかいません。そんな激しい調子で、不幸を嘆くだけで動かないものを軽蔑し、古い価値観には嫌悪を隠しません。一方で、孤立するものの宿命を引き受けたゆえの弱気を滲ませてもいます。

こちらに関しては、紹介文も愛読書も、どちらも気になりました。氷川きよしさんのインスタグラムを見たことがなかったので、「おぉ、そういう感じなのね?」という驚き。でも、あんなに大活躍している方でも、自分を鼓舞して頑張ってるんだよな、いや、大活躍してるからこそ、そりゃそうか。

気持ちがだるだる〜っとしてきた時、たまに自己啓発系の本も読みたくなるので、手に取ってみようかな。「私は自分で引いた道をまっすぐに進む」という言葉、氷川きよしさんにめちゃくちゃ刺さっていそう。最近のファッション含めて、自分の好きを全開にしつつ活躍している姿、強いなぁと思います。

▶︎ ココシャネルの言葉

今田美桜さん|『本日は、お日柄もよく』

紹介されていた愛読書は『本日は、お日柄もよく』。 結婚式という定番の始まり方で恋愛小説かと思いきや、仕事小説の比重が高い作品です。会社のブランディングから、果ては国政選挙の演説にまで駆り出される――現実にはありえない抜擢ですが、構成のうまさで読者をのせて、スピーチの醍醐味を描いていきます。 今田さんは「この本を読んでから、誰かが発した言葉、自分が口にする言葉、双方に対して敏感になりました」とコメントしています。優等生的と言うと皮肉っぽく聞こえてしまいますが、取り繕いのない、端的な感想だと思います。

お仕事ドラマ大好きなので、とても気になる!スピーチの醍醐味というのも、とても気になる!普段小説はほとんど読みませんが、題材が気になるので、読みたくなりました。

▶︎ 本日は、お日柄もよく

あんぱん』の今田美桜さん大好き。というか、登場人物がすべて愛すべき存在だった。こんなに登場人物全員が魅力的な作品って、あまりないと思う。

池上彰さん|『続 地方記者』

紹介されていた愛読書は『続 地方記者』。 大規模ダム建設現場に張り付く血気あふれる男、雪深い新潟の農村で地元の人と深く交流する若者――登場する記者たちのふるまいはどれも「粋」で人情味にあふれています。読み物としても軽妙で、遠慮なく泣かせにきます。スクープのためには泥だらけ汗だらけで突き進み、取材対象に思い入れて涙ぐむ。文系少年が「憧れる」ような熱いヒーローがここにいます。

ううむ、いきなりジャーナリズムな真面目な本なあたり、さすが池上彰さん。しかも、「地方記者」というのが気になる。「本が見つからなくて、久しぶりに図書館まで行って探した」と著者が語っていますが、確かに、この本はなかなか見つかりませんでした。図書館、本屋にはなかったので、古本を何とか見つけるしかなさそう。ますます気になる。

▶︎ 続 地方記者


おわりに

50人分の愛読書と紹介文を読んで気づいたのは、本の中身そのものより「その本をなぜこの人が選んだのか」を考える時間が楽しいということでした。愛読書は、その人の一部を見せてくれる窓なんだと思います。

好きな有名人の愛読書を調べてみるところから、新しい本との出会いが増えるかもしれません。ぜひ読んでみてください。

▶︎ 有名人の愛読書50冊読んでみた ▶︎ グググのぐっとくる題名

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